力はいつしか詩になる 『昭和』 長渕剛
『とんぼ』や『いつかの少年』が収録されているアルバムのラストを飾るタイトルナンバー。激動の時代の終焉を迎え、新たな世紀に向かう中作製された。
ライブで歌われることは89年以来歌われた記憶はない。
それ故に知られていることはあまりないが、淡々と歌い上げる『昭和』は感動そのもの。80年代の後半から90年代の前半にかけて、彼が作り出した名曲は数多くある。
『昭和』
傷つけば傷つくほど優しくなれた
貧しさは大きな力になり
意気地のなさは勇気に変わる
ひねた瞳は真実を欲しがる
真実はとてつもなく激しかった
愛せば愛すほど苦しくなる
はかなさが美しいから
死にたくても また歩いた
俺はいま真夜中の湾岸をとばしている
カーラジオ消して受話器を耳にかたむける
進路は東へとお前の声を聞きながら走る
とうとう昭和の歴史が終わった
悲しめば悲しむほど思いやれた
悔しさは大きな力になり
力はいつしか詩になる
許せないのは自分となる
俺はいま受話器を置いた
ああ吹きすさぶ強く冷たい風に抱かれたい
夜明け前の街が確かに動き始めてる
とうとう昭和の歴史が終わった
夜明け前の街が確かに動き始めてる
とうとう昭和の歴史が終わった